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田七人参

田七人参

ウコギ科の多年生植物。学術名は『Panax Notoginseng』と呼ばれており、その名の通り『Panax=万能』と言われています。中国の雲南省東南部~広西省西南部の限られた地域にしか分布しないと言われた希少価値の高い生薬です。現在では、広西、四川、湖北、江西などに広く分布しています。昔から『肝臓や心臓の守り神』とされ、中国の有名な肝臓病治療薬「片仔廣」は田七人参が主成分(85%)として含まれています。
田七人参は、古来より『金にも換えがたい貴重な秘薬』と言われており、別名を『金不換』と呼ぶ事でも有名です。

田七人参の栽培方法

田七人参は標高約1,500~2,000mの高地の傾斜地で栽培されます。栽培には一年を通じて温暖 でしかも適切な湿度を必要とし、種蒔きから3~7年という長い年月を費やし収穫するので『三七人参』または『田三七』とも呼ばれます。名前の由来にはいろいろな仮説があり、「茎から伸びた3本の枝先に7枚の葉がつくから」という説もあります。
田七人参は、周囲の大地の栄養分やエネルギーを約7年かけて十分に吸収するので、収穫後の土地は、その後十年は雑草さえ生えないと言われており、一度収穫すると焼畑をしながら、違う用地へ移動し栽培しなくてはなりません。また直射日光に弱いので覆いが必要ですし、開花すれば薬用としての根茎部に栄養が十分に行き渡る様に花部を切り取る等、他の農作物と比べても大変手間がかかるのも特徴的です。

田七人参の歴史

一般的に日本国内では高麗人参(朝鮮人参)が非常に知名度が高く、健康維持の為、幅広く愛用されています。それに比べると田七人参は、植生の点から見ると「高麗人参」の親戚に当たりますが、まだまだ認知度は低い様です。
高麗人参は奈良時代から日本で認知されていたのに対し、田七人参が日本で認知されたのはここ十数年の事です。これは、田七人参を栽培できる気候・地理条件が大変厳しく、ごく限られた地域で限られた量しか栽培できないので、中国政府が羅漢果と並んで、長く輸入禁止政策を取っていたからだと言われています。

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